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モノをワケればごみが減る?! 整理収納アドバイザーが教える「おうちの片づけ方」
家の中には必要なものと不要なものがあり、それらが混ざって部屋の中に蓄積されることで「片づかない」状態になってしまいます。本当はスッキリした部屋で暮らしたいのに、片づけが面倒、片づけたとしてもすぐに散らかる、どこに何をしまえばいいのか分からない…。そんな悩みを解決してくれるのが、片づけのプロといわれる「整理収納アドバイザー」です。
今回は仙台市在住の整理収納アドバイザー、佐藤由美子さんにおうちの片づけ方のコツや、片づけた時に不要となったものの排出の仕方などを教えていただきました。
―――はじめに、整理収納アドバイザーの仕事内容について教えていただけますか?
佐藤さん
「ご依頼主のご自宅に伺ってお片づけをサポートして、おうちの中が安心安全で暮らしが快適になるお手伝いをしています。最近では仙台市内の保育所の子育て支援センターからご依頼をいただき、小さなお子さんがいるママを対象に、安全で簡単に片づくお部屋作り講座も行っています。
私は以前、保育士として市内の保育所に勤めていたのですが、実はその頃は、私も“片づけられない人”だったんです。退職を機に新しい勉強をしようと思い、片づけについて学んでみたら、まるで数学の公式を教えてもらったような気持ちになり、それから片づけが楽しくなりました。
以前の私のように片づけが苦手な方に“片づけのコツ”をお話しすることで、片づけが楽しくなったり楽になったりしていただきたいと思いながら、この仕事を続けています。」
―――佐藤さんが感銘を受けた、数学の公式のような“片づけのコツ”とはどういったものですか?
佐藤さん
「講座の時にもよく○×クイズを出してお話しするのですが、“片づけ=捨てることでしょうか?それとも分けることでしょうか?”という問題を出しています。私は“片づけることは分けること”ととらえていて、つまり“分けること”が片づけのコツです。
私自身が片づけられなかった頃、使うものと使わないもの、いつか使うかもしれないものを全部1つの箱に入れていた、たとえるとそういう状態だったんです。でも使うものは使うものだけの箱に分けて、使わないものは違う箱に分けておくだけで、使うものは断然使いやすくなるんです。当たり前のような話ですけれど、私はそれを知って目から鱗でした。」
―――では実際に片づけのサポートをされる際は、まず「分ける」ことから始めるのですか?
佐藤さん
「はい、たとえばクローゼットの片づけを依頼された時は、まずはクローゼットの中に入っているものを把握していただくという意味で全て出していきます。そのうえで“セーターは○枚、ズボンは○本、靴下は○足ありますね”というふうにカテゴリー別に分けていきます。そうすると、お客さまもそこで古いものに気づかれたりして、必要なものと不要なものに分かれていきます。そうやって残ったお洋服は、そのシーズンに多く着用するものを一番取り出しやすい場所に置くなどして整理を進めていきます。」
―――たとえば洋服だと、しばらく着ていないけれど高価だった、あるいは昔は好きだったなどの理由で捨てられない、分けられない、ということもあります。
佐藤さん
「そうですね、お洋服の場合はまだ着られるものだからなかなか手放せない、という方は多いです。でも趣味や体型が変わってしまって実際には着られない、そういうものもあるので、そんな時に私はリユース・リサイクルをおすすめしています。
リサイクルショップやフリマアプリの利用もできますし、仙台市では集団資源回収や資源回収庫、リサイクルプラザへの持ち込みによるお洋服(古布)のリユース・リサイクルも実施しています。お客さまにリユース・リサイクルをすすめると“何かの役に立つなら”と気持ちよく手放せる方も多いです。」
―――不要なものをそのまま家庭ごみの袋に入れたらごみの量は増えますが、リユース・リサイクルするならごみの量を増やすことなく家の中をスッキリできますね!ほかにも、自宅で不要になったものをリユース・リサイクルできるものはありますか?
佐藤さん
「仙台市では、小型家電やプラスチック製品、紙類のリサイクルも行っていますね。」
―――特にプラスチック回収は、令和5年から製品プラスチックも対象になり、リサイクルできるものが増えました。
佐藤さん
「プラスチック資源はかさばるので排出する時に使用する袋が大きくなりがちですが、少し工夫するとだいぶかさを減らすことができます。
たとえば食パンが入っているようなビニール袋や大きめのヨーグルトの容器の中に小さなプラスチックを詰め込んで圧縮すると、バラバラに指定袋の中に入れるよりぐっとかさを減らすことができます。
(注)ビニール袋などを内袋として使用する場合は、内袋の口はしばらないようお願いします。
また食品トレーなどは、スーパーマーケットなどに設置してあるリサイクルステーションに出すこともできます。こうしたことを実践すると、だいぶ量が減りますね。我が家は3人家族ですが、普段プラスチック資源の排出に使う指定袋は小サイズで間に合っています。」
―――紙類も、家庭ごみに入れずに分けてリサイクルに出すと、家庭ごみの量がぐっと減りますよね。
佐藤さん
「今はネットショッピングされる方が多いので、商品を梱包していた段ボールの空き箱が部屋にたくさん、というご家庭もありました。段ボールはたたむだけで容量が減りますし、たたんだら玄関近くで保管しておくと外に出す時に楽になります。段ボールをまとめるのに使うひもやハサミも一緒にしておくと、モノの出し入れが少なくて済みますよ。
また玄関近くに雑がみを保管するコーナーを作っておくと、外から持ち込んだ不要な雑がみを部屋に入れることなくリサイクルに出すことができます。」
―――さまざまなものを分けることで家の中が片づいて、さらに不要なものもごみとリサイクルに分けることで、ごみの量を格段に減らすことができますね。
佐藤さん
「ごみかリサイクルか、どう分けてよいか迷ったら、スマートフォン用ごみ分別アプリ『さんあ~る』や、仙台市発行のパンフレット『資源とごみの分け方・出し方』を参考にしています。2024年にリニューアルされた指定袋には二次元コードが印刷されていて、そこから『資源とごみの分け方・出し方』のデジタル版にアクセスできるので、ぜひご家庭にある指定袋を確認してみてください。」
―――さまざまな片づけのコツや、不要なものをどうリサイクルするかが分かったことで、片づけのハードルが下がったような気がします。
佐藤さん
「片づけには、3つのいいことがあります。1つは“時短”です。たとえば料理をしよう、掃除をしようとした時に、道具や調味料など使うものがどこにあるか分かっていると、すぐ作業に取りかかれます。逆にそうしたものが見つからないと、探すのに時間がかかってしまいます。
2つめは“節約”です。消耗品などのストックをスッキリ保管することで数の把握が楽になり、無駄な買い足しなどをしなくて済むようになります。
3つめは“ストレスの軽減・気持ちの変化”です。不要なものが何も置かれていないダイニングテーブルでお食事をすることは気分的にも気持ちよいですし、家族へのイライラも激減します。
“片づけられた”という事実が自信につながり、前向きに生活するきっかけになる方もいらっしゃいます。今後もものの片づけだけでなく、気持ちの片づけもサポートできたらと考えています。」
取材協力
整理収納アドバイザー・保育士
佐藤 由美子さん
仙台お片づけシュガーさん
ごみ分別アプリ「さんあ~る」
アップルストアまたはグーグルプレイより「さんあーる」で検索しダウンロードしてください。
詳しくは、仙台市ホームページをご覧ください。