普段何気なく捨てているごみ。出す側は「捨ててしまえば終わり」と思いがちですが、しかし”ごみのその先”に携わる人たちがいます。すみやかにごみ収集し、種類別に適切な処理をする。そこでどんなことを思い、感じているのか。このシリーズではそんなごみ収集の現場に携わる人たちにお話をうかがいました。
株式会社 公害処理センター 戸田光昭さん
―戸田さんは主にどんなお仕事を担当されているんですか?
「主に仙台市太白区東部の家庭ごみとプラスチック製容器包装(※4月以降は「プラスチック資源」)の収集を担当しています」
―お仕事の一日はどんなスケジュールですか?
「まずは朝いちばんにごみ収集をする”パッカー車”の車両点検を行います。それから朝礼で、運転免許を忘れずに携帯しているかのチェックがあり、担当は誰か、その日の留意点などを共有し、現場へ向かいます。プラスチックの場合は8:30から午前の部がスタートして、その後リサイクル施設への搬入をします。その後昼食休憩をはさんで16:30まで施設へ搬入をした後、帰社して日報を書き、洗車をします。
実はこの洗車が大切。いいかげんにするとまず臭いますし、スムーズに動いてくれない原因にもなります。仕事の相棒でもありますから、愛着を持ってしっかりきれいにするようにしています」
―一日に何カ所ぐらいの集積所を回るんですか?
担当にもよりますが、私の場合は午前中に100カ所、午後に100カ所ぐらい。一日で計200カ所ぐらいまわります。
―収集のときに気を付けていることは何ですか?
「可能な限り集積所をきれいにすることでしょうか。人間、不思議なものできれいな集積所だと、ごみを出す側もしっかり袋の口をしばって『きれいにごみ出しをしよう』という気持ちになる。逆に集積所が乱れていると、ごみ出しもだんだんと乱れがちですからね。
あとはちょうど収集の時間にごみ出しをされる方と顔を合わせたときは、手袋をはずして『ありがとうございます』と受け取るようにすること。そこで『ごくろうさま』『いつもありがとう』などと励ましをいただくと、モチベーションがぐっと上がります」
―「ごみ出しの際に気を付けて欲しい」と思うことはありますか?
「実は収集担当者にごみ袋に入っていた木の枝が刺さり、ケガをするケースが少なくないんです。庭木の剪定などで出た枝を家庭ごみとして出した場合、枝がビニール袋を突き破って飛び出してきがち。できれば短くカットしてから捨てるなど、ご配慮をいただけるとうれしいですね。ほかにも包丁や縫い針など、刺さったり切れたりする危険性のあるものは、新聞にくるむなどして捨てていただければと思います。
あとは意外なところで、古くなったレトルト食品なども”危険”ですね。以前、パッカー車がレトルトカレーの入ったごみを巻き込んだ瞬間、ピューッと中身が出てきて、周囲がカレーまみれになったことがありました(笑)。処分の際は一度開封し、新聞紙などに吸わせて捨てていただくようお願いします」
―引っ越しシーズンを迎え、粗大ごみが増えてくる時期です。
「引っ越しされる場合、『どうせいなくなる場所だから』といいかげんに出されるケースも見受けられますね。手数料納付券の貼付がない粗大ごみは、『不適物シール』が貼られ、注意喚起のため収集されません。その間、集積所は粗大ごみがスペースを占めることになりますから、ほかの家庭ごみを出すのに不便ですし、なによりほかの不法投棄の呼び水にもなりかねません。立つ鳥跡を濁さずといいますし、しっかりと手順を踏んでいただくようお願いします」
―最後にごみ出しについて留意点があればお願いします。
「実は4月から、これまで『家庭ごみ』として収集していた『製品プラスチック』を、『プラスチック資源』として収集するようになります。例えばプラスチックハンガーやストロー、プラスチックのフォークやスプーン、プラスチックのおもちゃなどは、週1回の『プラスチック資源』の日に、赤い指定袋で収集することになりますので、お間違えのないようお願いいたします。
―ありがとうございました。