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「作り置き」の心配はこれで解消!料理を長持ちさせて食べきる工夫
「作り置き」の心配はこれで解消!
料理を長持ちさせて食べきる工夫
■料理が傷む? 食べ飽きちゃう? 常備菜の作り置きにまつわる心配ごと
冷蔵庫に一品あったら安心の、常備菜の作り置き。これから作る食事の献立をゼロから考えずに済む、調理の時短につながるなどさまざまなメリットがありますが、一方で「作り置きは心配」という声もあります。作った分が食べきれないまま傷んでしまったり、食べ飽きたりするのではないか、というのが理由です。
せっかく作った料理を無駄にせず、家庭での食品ロスを発生させないためには、料理をしっかり長持ちさせて、最後までおいしく食べきる工夫を実践することが大切です。そこで今回は、料理が傷んでしまう理由とその防止法、さらに料理の保存性を高める調理法や工夫をご紹介します。
■料理が傷む6つの条件と、日持ちを向上させる方法
料理が傷む大きな理由は、料理に付着した細菌やカビなどの微生物が増殖してしまうことです。微生物が増殖すると、悪臭や有害物質を発して料理が腐敗してしまいます。
それぞれの微生物には好む条件があり、その条件が揃うと急速に増殖して料理を傷めます。その条件とは、温度、水分、水素イオン濃度(pH)、浸透圧(塩濃度)、酸素、栄養素の6つです。だから、料理を傷めないためには、微生物が好むこれらの条件をできるだけ抑制することが大切になります。
たとえば、冷蔵・冷凍で温度を下げる方法、料理の水分をきる方法、高濃度の食塩や砂糖に漬けて食材の水分を外に逃がす方法、また加熱による殺菌も、家庭で簡単に実践できる方法です。
■常備菜の作り置き、これをすれば保存性が高まります!
しっかり味付け
食塩や砂糖、しょうゆ、味噌などの調味料を使って塩分・糖分を濃いめに味付けにすると、日持ちが向上します。ただし薄味を好まれる方や健康に気を付けたい時は、濃いめの味付けが気になるかもしれません。
そんな時は、後から手を加えて新しいおかずにアレンジできる“おかずの素”を作ってみてはいかがでしょうか。たとえば、足の早いひき肉を塩やしょうゆ、味噌などで味付けした肉そぼろは冷蔵で5日程度保存でき、幅広い料理にアレンジできます。サラダや豆腐にのせたりマーボー豆腐のベースにしたり、カレーや麺類などにも使えます。肉そぼろの味が濃いめなので、他の素材を加えて調理することで、料理全体の塩分を調整することができます。
しっかり加熱、冷まして保存
特に肉や魚などのたんぱく質が多い食材には、細菌やウイルス、寄生虫などが付着していることがあります。これらは熱に弱く、加熱すると死滅するので、調理の際は食材の中心部までしっかりと火を通すことが大切です。
また料理が仕上がって保存容器に移す時は、料理がしっかり冷めてからにします。熱いままだと、料理から出た水蒸気が容器やふたについて水分となり、腐敗を進める原因になってしまいます。
水気をきる
食材に含まれる水分は食べてみずみずしい一方、保存の面では日持ちしづらい一面も。手軽に水分を抜くなら、塩もみを試してみましょう。たとえば常備している野菜を、重量の2%の食塩で塩もみしたものは、冷蔵で4~5日保存が可能です。
塩もみ以外にも、下ごしらえの際にしっかり水をきって調理したり、加熱調理によって水分を飛ばしたりする方法も有効です。
スパイスや酢を効かせる
酢や唐辛子、わさび、マスタードなどの調味料やスパイスには抗菌作用があり、調理に使うことで保存性が高まります。傷みやすい青魚を唐辛子と酢が効いた南蛮漬けにすると、4日程度日持ちさせることができます。
■常備菜の作り置きを日持ちさせるために、調理環境の衛生面も気をつけましょう
作った料理をできるだけ日持ちさせるには、調理の工夫の他にもできることがあります。大切なのは、微生物をつけない・ふやさないために衛生的な調理環境を保つことです。
調理する前はもちろん、調理中もこまめに手を洗うこと。調理器具や保存容器は清潔なものを使うこと。洗剤を使った洗浄や、熱湯や食品にも使えるアルコール製剤などを使った除菌を行って、衛生的で安全な状態を保ちましょう。
常備菜の作り置きは、食べておいしく、日々の炊事をちょっと楽にしてくれるなど、家庭のキッチンに立つ人にとっていいことがあります。作った料理は適切に保存して長持ちさせ、最後までおいしく食べきりましょう!
参考文献
ダンノマリコ(2021)『野菜・果物・魚介・肉 365日おしいいびん詰め 保存食&食べ方テク』 朝日新聞出版
植木幸英・野村秀一編(2016)『栄養科学シリーズ NEXT 食べ物と健康、食品と衛生 食品衛生学 第4版』 講談社
栗山真由美(2015)『おいしさ長持ち! 頼れる作りおきおかず』 成美堂出版
宇津木貴編(2020)『暮しの手帖別冊 おいしく食べきる料理術』 暮しの手帖社
※本記事が掲載されていたモッタイナイキッチンは2022年10月にワケルネットへ統合されました。本記事は統合される前にモッタイナイキッチンで公開された情報となります。