WAKERU NEWS NETWORK

WNNの自由研究シリーズ・パート1 「食べ残しNOゲーム®」で食品ロス問題を楽しく学ぼう

WNNの自由研究シリーズ・パート1 
「食べ残しNOゲーム®」で食品ロス問題を楽しく学ぼう

■小学6年生が、食品ロスをテーマにしたカードゲームを開発!

本来は食べられるのに捨てられてしまう食べ物のことを「食品ロス」といいます。

食品ロスは、さまざまな問題をかかえています。たとえば、世界中で起こる食料不足の問題です。今、世界に暮らす9人に1人が、食べ物が足りず栄養不足で困っています。食べ物が不足している国は、特に国の成長が遅れている開発途上国などにかたよっています。一方で、日本のような工業が発達している先進国には捨てるほど食べ物があふれているなど、国によって食べ物が余ったり不足したりとバランスが取れない状態が続いています。また、食べ物をごみとして捨てると焼きゃく処分されますが、ごみを燃やす時に地球温暖化の原因といわれる二酸化炭素を出してしまいます。食品ロスを減らすことは、こうした問題を解決するためにとても大切なことです。

たくさんの人が、食品ロスを減らすためのアイデアをかたちにしています。今回紹介する「食べ残しNOゲーム®」も、そのひとつ。実はこのゲームを考えたのは、当時小学6年生だった栗田哲(あきら)くんです。栗田くんは、食品ロスの中でも特に外食の食べ残しがなぜ起こるか、そして食べ残しを減らす方法を自分と同じ小学生にもわかりやすく伝えようと、大好きなカードゲームを開発しました。それが「食べ残しNOゲーム®」です。

■子どもも大人も熱中しちゃう! 「食べ残しNOゲーム®」の遊び方

ここで、「食べ残しNOゲーム®」の遊び方を簡単にご紹介します。まず、プレイヤーは「すし屋さん」「パスタ屋さん」など4種類の飲食店の中からなりたいお店を選びます。お店には「食べられる量」と「所持金」が異なるいろいろなタイプのお客さまが訪れます。それぞれのお店にはグラム数や価格の異なる10種類のメニューがあり、お客さまの所持金以内で食べられる量ぴったりになるようにメニューを組み合わせて選びます。食べられる量ぴったりに選ぶことが出来たら、メニューの売上金に加えて3,000円のボーナスがもらえます。しかし、食べられる量をこえて選んでしまうと食べ残しが出るので5,000円のばっ金、食べられる量より不足するとお客さまが不満足になり1,000円のばっ金を払わなければなりません。

さらにゲームをおもしろくするのが、アクションカードの存在です。たとえば、アクションカードを使うと、競争相手に対して食べ残しの要因になるハプニングを起こしたり、自分のお店にお客さまを呼び込んだりして自分が勝負に勝てるように仕組むことができます。またサイコロをふる回数を増やしたり、お客さまの食べ残しを食べられる量ぴったりに変えてくれたりするラッキーなカードもあります。こうしたカードを使いながらゲームを進め、最後に一番多くお金を持っていた人が勝利となります。

■「食べ残しNOゲーム®」を通して、たくさんの気づきや学びが得られます

「食べ残しNOゲーム®」からは、さまざまなことが学べます。まず、ゲームを通して食べ残しが起きる要因の種類を知り、それぞれの解決法を学ぶことができます。これを理解できれば、食べ残しが起こらないように自分の行動を変えることができたり、他の人に自分が学んだことを教えたりすることができます。また、参加型のグループゲームを体験することで感情をコントロールする力を高めること、ゲーム中に起きるさまざまな出来事に対処する力、「食べられる量」と「所持金」両方を満たすことを考える力や暗算力などを高めることができます。

また、当時小学生だった栗田くんがどのようにしてゲームを開発したかを知ることによって、自由研究の進め方を学ぶこともできます。栗田くんは、「日本を良くしたい」という大きな目標の中から、フィールドワークによって「外食の食べ残し」にテーマをしぼりました。そして「どうしたら食べ残しが減るのか」について仮説を立てて、その仮説からみちびいた解決法を広く知ってもらおうとカードゲームを開発する、という流れにいたったのです。

2016年に栗田くんが開発した「食べ残しNOゲーム®」は2018年に商品化され、多くの人に外食の食べ残し問題とその解決法を伝えてきました。2019年には、全国の1,500人もの人がこのゲームを体験したそうです。そしてこのゲームを体験した小学生の9割以上が「食品ロスについて理解できた」「自分の行動が変わった」と答えました。また、どのように自分の行動が変わったかについて、「食べ残しをしない」「自分の食べられる量を知る」「好ききらいをしない」という答えが多くありました。「自分と同じ小学生にもわかりやすく食べ残しの問題を伝えたい」、そんな栗田くんの思いが、たくさんの人の心に届いたのです。

■「食べ残しNOゲーム®」のオンライン体験会に参加してみました!

2020年8月1日のオンライン体験会の参加者の皆さん

「食べ残しNOゲーム®」は、これまで学校の出張授業や企業・団体の研修などで多くの人がゲームを体験してきましたが、最近はオンラインでの体験会も行っています。そこで記者も、2020年8月1日に行われたオンライン体験会に参加してみました。

体験会には、全国からさまざまな世代の方が参加しました。中には親子で作戦会議を開きながら参加するチームもいましたよ。はじめてゲームをする人でも、手元にゲームがなくても、進行役がゲームに必要な案内をしてくれるので安心して参加できます。

体験する前は「少し複雑なゲームなのかな?」という印象があったのですが、実際にゲームが始まるとすぐにルールが理解でき、何よりゲームの内容がおもしろい! アクションカードを使って競争相手にハプニングをしかけたり、逆にしかけられたりするハラハラ、ドキドキがたまりません。そうした楽しみが大きいからこそゲームの内容が深く理解できるし、ゲームを通して知った食品ロス問題の解決に向けて、自分も行動していきたい! と思う人が多いのだと感じました。

「食べ残しNOゲーム®」のオンライン体験会は、今後も行われる予定です。参加したい方、また実際にゲームを買って遊んでみたい方は、ホームページで詳しい情報を確認してみてくださいね。

参考サイト
食べ残しNOゲーム®公式サイト
http://www.tabenokoshi.jp/

※本記事が掲載されていたモッタイナイキッチンは2022年10月にワケルネットへ統合されました。本記事は統合される前にモッタイナイキッチンで公開された情報となります。