考えよう、ごみのこと

楽しく体験してエコを実感!エコフェスタ2023レポート

ごみを出さないヒントがいっぱいの体験型イベント

2023年9月3日(日)、勾当台公園市民広場を会場に「エコフェスタ2023」が開催されました。エコフェスタは、ごみ減量やリサイクル、地球環境保全への理解を深めることを目的にしたイベントです。32回目を迎えた今回は、企業や市民団体による体験型のブース出展やごみ収集車の展示などが行われました。多くの来場者で賑わった当日の模様をお伝えしましょう。

“はたらくくるま”に興味津々!ごみ収集車デモンストレーション

会場でまず目を引いたのは、ステージ前に展示されたごみ収集車です。普段は街のなかで作業をするごみ収集車を、より身近に感じるデモンストレーションが行われました。

家庭ごみを収集するパッカー車(左)と、缶・びん・ペットボトル・廃乾電池類の収集車(右)が各1台展示されました。

はじめに、なじみのある「草競馬」のメロディが流れて、家庭ごみを収集するパッカー車のデモンストレーションが始まりました。パッカー車の前に集まった子どもたちは、目の前の“はたらくくるま”に興味津々の様子で、サンプルのごみ袋をパッカー車に投入する体験をしていました。子どもたちが投入したごみ袋が回転板で車内に回収されると、今度は車の後部が大きく開き、ごみ袋を一気に下す様子も見学することができました。

(左)パッカー車にサンプルのごみ袋を投入する子どもたち。(右)ごみ処理施設でごみ袋を下す時は、このようにパッカー車の後部が大きく開きます。

企業や市民団体の出展ブースで楽しくエコを体験!

会場では、企業や市民団体などがエコを楽しく体験できるブースを出展していました。その一部をご紹介します。

【丸紅株式会社東北支社】

総合商社の丸紅は、グリーン事業の強化や全事業のグリーン化を推進しており、事業の一環としてプラスチック代替素材の開発や環境に配慮した食品容器などを手がけています。

(左)育ちが早いユーカリが原材料のパルプモールド(パルプでできた成形品)容器「EUCALP®(ユーカルプ)」。(右)プラスチック代替素材「ePlas®(エプラス)」でできた食器やカトラリー。

ブースでは、配管工事や環境事業に取り組む株式会社グローバルアライアンスパートナーと協働で、ペットボトルキャップを使ったコマ作り体験が行われていました。

使用が終わったペットボトルキャップなどの廃プラスチックは、熱分解によって油に再生する「ケミカルリサイクル」と、再生原料としてモノづくりに生かす「マテリアルリサイクル」などの方法でリサイクルすることができます。コマ作りは、この2つのリサイクルが実感できる体験です。

ペットボトルキャップをリサイクルして作られた油を燃料にして小型射出成型機を動かし、溶かしたペットボトルキャップを射出成型してコマを作ります。

ケミカルリサイクルで再生された油は、ブースに設置された小型射出成型機の燃料になりました。この成型機に細かく刻んだペットボトルキャップを入れて熱で溶かし金型へ送り込み、中身が固まるとコマが完成するしくみです。完成したコマは長時間回転し、バランスのとれた精度の高いコマであることが分かりました。

【仙台生ごみリサイクルネットワーク】

生ごみのリサイクル促進を目的に活動する市民活動団体の仙台生ごみリサイクルネットワークのブースでは、さまざまな方法による生ごみ堆肥化のデモンストレーションが行われていました。

(左)庭に置く大型のものから集合住宅でも設置できるプランター型のものまで、ライフスタイルに合わせてコンポストの種類が選べます。
(右)コンポストによって生ごみが堆肥になりました。匂いはなくサラサラしています。

仙台生ごみリサイクルネットワークでは、生ごみの他にも市内の街路樹の落ち葉を大量に集めて堆肥化する活動を行っています。この落葉堆肥は通常の堆肥としても使えますが、生ごみ堆肥化中のコンポストに入れると、発酵が促進されてとてもよい堆肥が作れるとのこと。ブースでは、生ごみ堆肥化のコツを熟知したメンバーの方々が、コンポストに興味のある市民の皆さんに向けて情報発信を行っていました。

秋田杉、青森ヒバ、ケヤキなど、建築端材を使ったマイ箸作り体験。

仙台生ごみリサイクルネットワークのブースでは、他にもさまざまな樹種の建築端材を削って作るマイ箸作り体験や、職人による包丁とぎ・まな板削りも行っていました。マイ箸作り体験には、老若男女、国籍も超えてさまざまな方が集まり自分好みの箸を作っていました。

【ワケルキャンパス】

東北福祉大学と仙台市家庭ごみ減量課の合同プロジェクトであるワケルキャンパスは、メンバーの大学生が若者のごみ分別やリサイクル意識を高めることを目標に活動しています。これまでさまざまなエコイベントに参加したり、ごみ減量に取り組む団体に取材したり、またそうした活動をSNSで発信したりといった取り組みを行っています。

シンプルなごみ袋止めクリップを、好みのシールで思い思いにデコレーションしていきます。

ワケルキャンパスのブースでは、ごみ分別がしやすくなるクリップのデコレーション体験を行っていました。市販のごみ袋止めクリップに、仙台市のごみ減量・リサイクルキャラクター、ワケルくんファミリーのシールをペタペタと貼っていきます。シールの中には「家庭ごみ」「プラスチック資源」「雑がみ」などの名称が一目で分かるものもあり、より分かりやすくごみの分別ができるように工夫されていました。

エコフェスタ会場ではポスター展やデポジット体験も!

エコフェタの会場では、さまざまな展示や体験も行われていました。たとえばステージでのポスター展です。仙台市のごみ減量啓発ポスターが24年分、ずらりと並びました。

ステージ上に設置された「仙台・ごみ減量とワケルくんポスター振り返り展」。

「100万人のごみ減量大作戦」に始まり、2002年にはワケルくんがセンセーショナルにデビュー。以降、仙台市の施策と時代の潮流に合わせた数々のポスターが生まれました。仙台市民なら見覚えのあるポスターの数々に「これ、懐かしい!」の声が上がっていました。

1998年から2022年までのポスターが一堂に飾られました。

また、会場内には飲料や軽食などを提供するブースも設置されていました。ここでは、かき氷やプラ容器入り飲料のデポジット(預かり金)体験も行っていました。

飲食ブースでは軽食や飲料を販売。容器をブースに戻すと預かり金が返ってくるデポジット体験も行っていました。

かき氷や飲料を購入すると、商品と一緒にキャッシュバック券がもらえます。空になった容器と券を一緒にデポジットコーナーに持っていくと、容器の回収とともに容器代が戻ってくるというしくみです。この日はとても暑かったことからかき氷の販売が好調で、デポジットコーナーには空になったかき氷の容器を持ってくるお客さんが絶えませんでした。

さまざまなブースや展示があり、飲食もOKの会場は多くの来場者で賑わいました。

この他にも各ブースを回ってスタンプを集めると素敵な景品がもらえるスタンプラリーやゲーム形式の体験ブース、乾燥生ごみとふぞろい野菜の交換会、古着・古本市なども行われ、多くの来場者が楽しみながらエコを実感していました。