もっとリサイクル

事例紹介1 鶴ヶ谷七丁目南子供会

子供が少ないからこそ、みんな仲良し!

「私たちは特別なことはしていないと思いますよ。うちが取材されていいのかなあ。」と笑顔で話す子供会世話人の居川美貴さん。
ここ宮城野区鶴ケ谷地区は、昭和40年代に造成された住宅地で、市内でも最も高齢化の進んでいる地区の一つです。そのような中で鶴ケ谷7丁目南子供会は年間を通して毎月各戸回収を続け、年間回収量も団体平均の1.5倍(約30トン)と非常に多い団体です。どこにその秘訣があるのでしょうか。

1.活動内容について
集団資源回収は貴重なコミュニケーションの場
「この地域には高齢者一人、もしくは二人の世帯が多く、子どもの数は大変少なくなっています。でも、逆に少ないから子どもたちは学年の枠を超えて仲がいいですね。親たちも誰がどこの子かしっかり把握できています。」と居川さん。
「人数が少ないので、子供会で何をするにも他人任せにできないという事情があります。資源回収だけでなく、その他の催し物も皆で取り組んでいます。親たちも皆、仲がよいんですよ。」と話すのは同じく世話人の橋場絵里子さん。
「母親たちはもちろん、資源回収には父親たちも積極的に参加してくれます。日ごろ接点の少ない父親たちにも良い情報交換の場になっているようです。」「月1回の資源回収は、担当する前は大変だと思っていましたが、習慣化されれば苦にはならないですね。限られた時間なので、何とかやりくりできるものですネ。」と話されるように、集団資源回収は貴重なコミュニケーションの機会となっているようです。

子供会世話人の橋場さん(左)と居川さん
地域に根ざした活動

 この地区では、集団資源回収は毎月行われる町内会の公園清掃と同じ日に実施されています。このため、町内会との連携も大いに図られていているとのこと。毎月定例的に実施していることから、地域の住民のライフサイクルにも組み込まれているようで、実施日まで資源物を貯めていてくれるお宅も多いとか。
また、子どもたちの声がうるさいのではないかと心配することもあるそうですが、地域の人たちからは、「むしろ子どもの声が聞こえる方がいい」と受け入れてもらっているそうで、地域の支援体制も整っているようです。

2.活動の様子
活動日の朝はとても早い。
早朝からは町内会主体の公園清掃。毎回、資源回収は同じ日に実施しています。
子供会の分担地域も決まっています。

(1) 開始時間になると回収業者のトラックが町内を回り、集団資源回収の実施日であることをアナウンスします。10年以上前から変わらぬ子供たちの声が地域に響きます。
(2) 放送を聴いて、各家庭から紙類、布類、アルミ缶などが出されます。
毎月一回の指定日で習慣化されているためかあっという間に
(3) みんなで手分けして、各戸を巡回し、資源を回収します。

高学年の子供たちの機動力が重要

回収もれがないか見回ったりもします

回収量の多い場所は家族総出で
(4) 資源は公園にまとめます。みんなで協力してトラックに積み込みます。
自然に流れ作業のラインが整います。さすが、息もぴったり!
(5) わずかな時間で、新聞、雑誌だけでトラックの荷台が一杯。
もう一台の車両にも段ボール、衣類、アルミ缶がたくさん。
   これでも普段より少ないとのことで、驚きです。
(6) 終了後はみなさんで情報交換。
  お疲れ様でした!
3.取材後記

この地区の世帯は約210世帯。決して大きな規模というわけではありません。また、子どもの数は多いときの約5分の1の21人にまで減少しています。運営面では大変なこともあるようですが、仲が良く、楽しんで取り組んでいる様子が印象的でした。そして、継続して定例的に実施していることが、地域の協力を得られることに結びついているようです。それには、日頃から声を掛け合うなど小さな積み重ねが、繋がりを深める一歩となり、目に見えない効果をもたらすのかもしれません。

最後に、取材にご協力いただいた子供会の皆様、ありがとうございました。
次回は、この記事をお読みいただいているあなたの街に伺うかもしれません!

(2012.10.27、11.4取材)