プラスチック

わたしたちの街の海について 参加者の声

深沼ビーチクリーンに参加することとは

わたしたちの身近な海、荒浜の海岸。そこにはたくさんのごみが落ちています。それは流れてきたものなのか、風が運んできたものなのか。わたしたちの暮らしから出てしまっているものなのか。原因を考えることも大事。ごみが自然界に出てしまわないよう適正に処理されるようにひとりひとりが取り組むことも大事。そして、落ちているごみを拾い、片付けることが大事です。

震災後から毎月第2日曜日に開催している『深沼ビーチクリーン』に参加している斎藤育子さん、小林美香さん、遊佐淳さんにお話を聞きました。

―『深沼ビーチクリーン』に参加することになったきっかけや、理由があれば教えてください。

斎藤さん

「以前、親子で『せんだい環境学習館たまきさんサロン』で開催された鳴り砂の講座に参加し、鳴り砂がきれいに鳴るのは、ごみの少ない海岸だからだと知りました。その時、講師の早川さんが紹介してくださった『深沼ビーチクリーン』に子どもがとても興味を示し、参加することにしました。」

小林さん

「もともとは『荒浜再生を願う会』でやっていた清掃活動に参加していました。会の解散後も『深沼ビーチクリーン』として再開したので参加しています。荒浜に通ううちにこの場所が大好きになりました。きれいな海岸にしたい、という思いはもちろんですが、この場所が好きだからビーチクリーンに参加している、という意味合いの方が強いのかもしれません。」

―参加して、感じたことはどんなことなのでしょう。

斎藤さん

「豆管やロープのような漁業に関するごみ(海岸に漂着し放置されている漁具)が予想外に多く驚きました。」

豆管(カキ養殖に使う長さ2cmほどのプラスチック製のパイプ)

遊佐さん

「毎月のように参加していますが、なかなかごみが無くならない。街から来るもの、海を渡って来るもの、様々だと思います。本当に難しい問題だと感じます。努力次第で減らすことはできるけど、全てのごみを無くすことは不可能。誰かがビーチクリーンを継続しないと、キレイな海や海岸は維持できないのだと思います。便利な生活と引き換えにこうしたことが起きているのであれば、残念なことだと思います。『深沼ビーチクリーン』に参加している方は非常に穏やかで、みんな笑顔で参加しているので、毎月参加するモチベーションにもなっています。」

―普段はどのように環境問題を意識していますか。

斎藤さん

「普段から環境問題などを強く意識しているわけではありません。調理中に食材を使うたびに、包んでいた袋やトレーをプラごみに捨てるので、ここまで一つひとつ包装しなくてもよいのではないか、と感じたりはします。」

遊佐さん

「マイバッグをいつも持ち歩いて、レジ袋はもらわない。家事で使う洗剤類は詰め替えを使う。仕事中はマイボトルを使ったりなど、を普段から意識しています。」

小林さん

「環境問題に関してですが、そこまで徹底して意識できていないのが現状です。買い物の時にエコバッグを持ち歩くことは有料化される前からしていましたが、正直、そのくらいしかできていない。だからこそ、海岸清掃は「改めて意識する」いいきっかけになっていると思います。マイクロプラスチック※ごみについても、報道で言葉は知っていたけれど、実際のものを現地で見せてもらったことで初めて、自分ごととして考えるようになりました。」

※サイズが5ミリメートル以下の微細なプラスチックごみのことです。有害物質を吸着する性質があり、生き物が食べることによる生態系への影響が懸念されている。さらに詳細な情報はこちら

―深沼ビーチクリーンに参加しながら、こうした環境問題について考えることはありますか。またどんなことでもいいので感じたことを教えてください。

遊佐さん

「荒浜の海岸は、学生の頃自分が初めてのサーフィンをした場所で、サーフィンの魅力に深くハマるのと同時に、海のことも自然に知るようになり、当時から、海と環境のことは切り離せない問題で、海で楽しみつつも、汚れている海を非常に残念に思っていました。楽しませてもらった海への感謝と、これからこの場で思い出を作ってほしい未来の子どもたちに、できる限りキレイな海岸を残してあげたいと思う。『深沼ビーチクリーン』は自分にとって、そんな思いの場です。」

小林さん

「わたしは日本海側の山形県酒田市出身で、小さい頃から親に海水浴に連れて行ってもらっていました。砂浜を素足で歩けるのは当り前、と思っていましたが、シーズン前に地元の人たちで海岸清掃していたことを新聞で知り、改めてその大切さを実感しました。正直、清掃はいたちごっこで、清掃した翌日に花火がごっそり置いてあったりすると、心が折れそうになります。けれど、「海岸清掃をしている」姿を、アピールすることで、海に来る人に少しでも気付いてもらえたらいいなと思っています。県外の方を連れて行ったら、一人で勝手に(笑)ごみ拾いをしていた、ということがありました。小さな袋でいいから、自由な時間に自由にごみ拾いができるような何か工夫ができたら、いいかもしれませんね。」