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フードバンク仙台へ取材に行ってきました!(東北福祉大学2年生)

 ゴミ減量・リサイクルを若者目線で啓発していくワケルキャンパスでは今回、食品ロス削減と生活困窮者支援に貢献するフードバンク仙台への取材を行いました。

 新型コロナウイルスは多くの方の生活に大きな変化をもたらしました。その結果、収入源が無くなり衣食住を充足させることが出来ず、沢山の人が今日食べる物を確保することもままならない生活を余儀なくされています。その反面、日本での食品ロスの年間総量は522万トン(2020年度推計)に達しているといわれています。このような矛盾が生じている状況の中、無償で食糧をお届けすることで「命」を守る活動を行っているのがフードバンク仙台です。フードバンク仙台は社会から貧困・飢餓をなくすことを目的としたボランティア組織として、新型コロナウイルスの流行をきっかけに小椋亘さんが結成させました。今回はフードバンク仙台の具体的な活動について代表の小椋さん、職員の川久保さんからお話を伺いました。そのお話から浮き彫りになってきたのは生活困窮者の悲惨な現状でした。

 フードバンク仙台には、1ヶ月で約4トン、年間で約55トンの食糧が寄付されています。寄付された食品のうち、賞味期限・消費期限が書かれていないもの、過ぎているものは提供することはありません。そのような食糧の提供は不信感を与えてしまうからです。「ちゃんとしたものを食べてほしい。」小椋さんはそう仰っていました。願わくば、新鮮な食品、栄養価が高いものを口にしてほしい。それがフードバンク仙台の思いです。

 生活困窮者の中には、ライフラインが止まってしまっている方も少なくはありません。そのような方々のために、アルファ米や缶詰など「ライフラインを必要としない食品もを充実させたい、お届けしたい。」と川久保さんは仰っていました。

 食品支援の受け取り方として、玄関前等に1人1個のダンボールに1週間分(7~8kg)の食品を入れて置くという置き配となっています。事務所での受け渡しは基本的には行っておらず、家のない方は待ち合わせ場所を決めて渡しているそうです。

 卵1個を食べて以来2週間以上何も食べていない方や食費を捻出するために持病の通院や服薬も出来ない方、ライフラインが止まってしまっている方がいるのが現状です。そこでフードバンク仙台では食糧の無料支援だけでなく、生活保護の申請同行、休業手当等の請求のための労働組合の紹介など安心した生活を送って頂くために手厚い支援も行っています。

 行政の支援を受けたくない方がいるというお話も聞きました。過去のトラウマや、人に対する不信感、不満、借金とりに見つかるかもというのが支援を受けたくない理由にあるそうです。そのような方々との関わり方は食料だけでなく、心のケアについてのサポートも必要であると感じました。

 Z世代と言われる私たちと同世代の方々にも、フードバンクという活動の存在を知ってもらいたいです。そして、経済的な困窮から食糧を十分に得ることができない方々に対し、年齢や性別、障害の有無に関わらず普遍的に食糧を提供することで、誰も差別されず助け合いのネットワークが広がっていけば良いなと感じました。

 このインタビューを通して、フードバンク団体の活動が未利用食品の活用という食品ロス削減に寄与していることを知っただけではなく、貧困という社会問題を身近に感じ、問題の改善や対策について深く考えるきっかけとなりました。食料を必要としている人が多くいる一方、飲食店や販売店舗などで大量に食料を廃棄しているという矛盾が生じている社会の中で、私たちには何ができるのか考えていきたいと感じました。